新生児から乳児期までの赤ちゃんに多くみられる乳児湿疹。
我が家の3人の子ども達も新生児期から悩まされました。
病院を受診すると、症状によってはステロイドを処方されることがありますが、ステロイドって副作用があるのをご存知ですか?
副作用と聞くと少し怖いイメージで、使うのを躊躇してしまいますよね。
ですが、正しい使い方をすれば全く怖くないんです!
むしろ赤ちゃんと、赤ちゃんの湿疹に悩むお母さんにもステロイドは強い味方です。
今回はそんなステロイドの特徴や、副作用などの注意点、塗り方をまとめてご紹介します。
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そもそもステロイドって何?赤ちゃんには安全?
ステロイドには飲み薬や点滴に使うステロイド剤と、皮膚に使うステロイド外用剤があります。
ステロイドに含まれている合成副腎皮質ホルモンが、湿疹部分の炎症や痒みを抑えることに効果的で、湿疹部分が赤く荒れてしまっている状態や、痒みが伴っている場合、病院でも処方されることが多い塗り薬です。薬局でも取り扱っています。
まだ肌が弱い赤ちゃんには、キンダベートやロコイドなどの弱いランクのステロイドが処方されることが多く、万が一塗った箇所を手で触ってしまったり、その手を赤ちゃんが舐めてしまっても問題ないとされています。
ですが、症状によっては少し強めのランクの薬が処方されることもあるので、医師や薬剤師の方に使用方法や注意点をきちんと確認することも大切です!
ステロイドの副作用の真実
使うと肌が黒くなる、体の中に蓄積される、カルシウムが減ってしまうなど様々な副作用への怖いイメージがある薬ですが、それはあくまでステロイド剤を飲み薬などの内服薬として長期で大量に摂取した場合であり、皮膚に使う外用薬の副作用としてはあり得ないと言われています。
内服や注射ステロイドを長期に使っていると骨がもろくなる、皮膚が薄くなる、正常な副腎機能が抑制されるなどの全身的副作用が出てきます。ステロイド外用剤はもともとステロイドの全身的副作用を減らし、局所の皮膚にしっかり効果が出るように工夫されてできたものです。最強クラスであるデルモベートで1日5g(月に150g)、strongクラス(中くらいの強さ)で月に300gというかなり多い量を使わなければ全身的な副作用はでることはなく、吸収されるステロイドも極微量なので副腎機能の抑制や骨がぼろぼろなる、成長障害などを起こすことはありません。
しかし、きちんと使用していても皮膚が薄く白くなってしまったり、ステロイドを使うと肌の免疫機能を抑制してしまうので、とびひなどの細菌感染が起こりやすい状態になってしまう副作用があります。
肌の色が抜けてしまうのは、ステロイドに含まれる成分が毛細血管を縮小させるので皮膚が白く色が抜けたように見えますが、長くても使用をやめて1か月程で治ります。
とびひは乳児湿疹との見分けが素人には難しいと思いますが、ステロイドを塗っていても湿疹がなかなか収まらない場合は、病院で診察を受けてください。
ステロイドの正しい塗り方・注意点
ステロイドは他の保湿剤などと違い、塗り方にも注意する必要があります。
まずはお風呂などで清潔な肌に塗るのが大前提です。ミルクやよだれなどで患部が汚れている場合は、濡らしたガーゼやタオルで優しく拭きとります。
湿疹があるうちは肌が乾燥しやすく、湿疹の悪化にも繋がるので、刺激の少ない保湿剤で肌を保湿してからステロイドを塗ります。軟膏タイプは薄く塗ります。
ローションタイプはお母さんの手やティッシュに薬を取り、塗りこまずに患部に軽く乗せるように塗ります。
ちなみに、ステロイドを最初に塗ってしまうと、その後の保湿剤を使った時に、湿疹がない場所にもステロイドを広げてしまうことになるので、この順番がオススメです。
ステロイドは湿疹の根本的な治療薬ではないので、湿疹が改善した時には使用を中止します。そしてお肌に負担のかからない保湿剤や塗り薬に切り替えます。
他の保湿剤と同じく乾燥や肌荒れ予防として使用してしまうと、長期間使用してしまうことになるので注意が必要です。ちなみに、ステロイドは2週間使用すると長期使用になります。

まとめ
ステロイドは怖いイメージがついてしまっていますが、湿疹を悪化させて赤ちゃんが痒くてひっかいてしまったり機嫌が悪くなったりするよりも、短期集中で症状を軽くしてあげるほうが、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても乳児湿疹と付き合いやすいかと思います。
1歳頃になると赤ちゃんの肌もだんだんと丈夫になっていきます。日頃からケアを気をつければ、湿疹などの肌荒れが起こりにくくなっていくので、それまではステロイドを味方につけて、気負いし過ぎずに乗り切りましょう!