子どもが元気健康でいることが一番ですが、時には体調を崩してしまうこともあります。
日頃からうがい・手洗いなど気をつけていても病気は突然やってきます。寒い時期は、空気も乾燥していてインフルエンザも流行り、風邪をひきやすいという印象ですが、夏はどうでしょうか?
「夏風邪」という言葉を聞いたことがあると思いますが、実はその種類は様々です。今回は夏に子どもがかかりやすい病気をご紹介します。
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目次
夏に流行る病気の主な原因は?
主な原因は、
- エンテロウイルス
- アデノウイルス
この2大ウイルスによって発症します。
夏風邪の一種である手足口病とヘルパンギーナは、エンテロウイルスの他にコクサッキーA16など、原因となるウイルスは10種類以上あるとも言われています。
プール熱(咽頭結膜熱)と流行性角結膜炎は、アデノウイルスが原因です。このアデノウイルスも分類すると約50種の型があり、感染すると胃腸炎など様々な病気の原因になります。
実際に夏に流行る病気は?
手足口病
エンテロウイルス属に属するコクサッキーウイルスA16が主な原因ですが、他にも原因となる型があります。
乳児や幼児によく見られる代表的な夏風邪の一種です。
病名の由来は手の甲、足の裏、口内に水泡ができることに由来しています。
【主な特徴・症状】
飛沫感染や感染者の鼻や唾液からの分泌物による接触感染や、オムツ替えの際に手に触れて感染することもあります。
潜伏期間は3~6日間で、初期症状として発熱や咽頭痛がありますが、発熱がない場合もあります。
特徴としては手のひらや甲、足の太ももや足裏、お尻に赤いブツブツの発疹ができ、口の中には口内炎ができます。
だいたい1週間程度で発疹や口内炎は治ってきますが、この口内炎がとても厄介!!痛みが激しい場合は、痛みを緩和してあげるようにします。冷たい氷やアイスなどを食べさせて痛みを和らげます。
一度かかってもまたかかる場合もあります。発熱もなく口内炎が引いて食べれるようになれば通園通学しても大丈夫とされています。
【治療法】
手足口病に対する薬はありません。熱が高くしんどそうであれば、解熱剤で対処し、口の中が痛いのであれば緩和するなど個々に対応するだけになります。
それ以外は感染症が治るまでは自宅で安静にすることが大切です。
何日も食べたり飲んだりできない場合は、点滴することもあるので受診して相談してください。

園から帰宅した時には気づかなかったのですが、昼寝から起きたチビちゃんに赤いプツプツとしたものが足や手に見られました。
今までもアレルギー体質なのか、体が温かくなるとプツプツと出ていたのでそのうち引くかと思ったら、お風呂の時には発疹が広がっており夜には38度の熱が!
翌朝は熱は下がりましたが、ブツブツが増えて気になったので受診したら、受付後すぐに隔離され、結果は「手足口病」でした。
その後徐々に口内炎が痛くなり、食べるのは無理!飲むのも無理!な状態でしたが、頑張ってポカリスエットだけは飲んでもらうようにしていました。
口内炎ができて2日間、食べたいものも食べれず、食べてみたら痛くて泣いて。親としては見ているのが辛く、子どもの前では食事ができませんでした。
子どもによって手足口病の出方は様々で、友人の子は「手足口病だと診断されたけど口内炎もなく、発熱も1日だけですぐに落ち着いた」とのこと。そんなこともあるんだ!?だけどそれはかなりマレなのだと思います・・。
かかった場合は、口内炎が落ち着くまで忍耐強く待つしかない!ですね。
ヘルパンギーナ
エンテロウイルス属に属するコクサッキーウイルスA群であることが多い。
5歳以下の乳幼児に多く見られる夏風邪の代表的疾患です。
【主な特徴・症状】
飛沫感染や感染者の鼻や唾液からの分泌物による接触感染や、オムツ替えの際に手に触れて感染することもあります。
2~4日の潜伏期間があり、突然の高い発熱と喉の痛みがあります。
発熱は1~3日間続き、口内炎ができ、痛みのため飲食ができず不機嫌になります。手足口病と同じく、口内炎のときはアイスや氷、ゼリーなど冷たいもので痛みを軽減します。
【治療法】
特別な治療法はなく、個々の症状に対処する対症療法のみになります。
発熱には解熱剤などを使い、水分も取れず脱水症状が見られる場合は点滴など治療が必要になります。
口内炎や発熱など症状がある場合は外出せず、家で安静にしておきます。発熱もなく口内炎が引いて食べれるようになれば通園通学しても大丈夫とされています。
プール熱(咽頭結膜熱)
アデノウイルスによって発症します。免疫のない乳幼児に多く発症します。
通常は6月ごろから流行り始め、7~8月がピークになり秋頃まで流行がみられます。
ただし、アデノウイルスは1年を通して活動しているので、夏以外にもかかることがあります。
6~9月のプールの時期に多いので、プール熱と言われます。感染力が強く、学校保健法によって第二伝染病にされているので、登校基準については症状がなくなってから二日をすぎるまでは出席停止となっています。
かかった際には、主治医と相談してください。
【主な特徴・症状】
潜伏期間は5~7日間です。
主には飛沫感染ですが、プールなどで結膜からの感染や目やにからの接触感染などもあります。
急な高熱が出て、咽頭炎や結膜炎が起こります。(全ての症状が出ない場合もあります)39~40°Cの高熱が3~7日ほど長く続きます。
喉も真っ赤になり、痛みを伴います。結膜炎の影響で、充血や目やに、かゆみや痛みがあり、涙が止まらなくなったりします。
【治療法】
特別な治療はなく、個々の対処療法になります。
結膜炎がひどい場合は、眼科での受診をおすすめします。喉の痛みを伴うので、飲食が不振になりやすので脱水症状には気をつけます。
ゼリーやプリン、アイス、ヨーグルトなど食べやすいものや水分を摂るようにしましょう。
プールに入る際は、水泳前のシャワー、水泳後の洗眼、うがいを忘れずにしっかりすることが大切です。タオルの共有も避けましょう。
流行性角結膜炎
主にアデノウイルスによって起こります。急性の結膜炎のことで、「はやり目」とも呼ばれます。
感染力が強く、学校保健安全法での学校感染症の一つで、感染の恐れがなくなるまで出席停止になります。
【主な特徴・症状】
1~2週間の潜伏期間があり、結膜炎と角膜炎を起こすので角結膜炎と呼ばれます。
結膜炎
片目を発症した後、4~5日後に反対の目を発症することが多い。症状が重いと、耳前のリンパ節が腫れて触ると痛みが出ます。症状が治まるまで2~3週間かかります。
角膜炎
充血や、まぶたや結膜のむくみ、透明な角膜に混濁を生じ、眼痛を感じます。症状が数ヶ月~丸一年かかることもあります。
【治療法】
結膜炎の原因は、ウイルス性、アレルギー性や細菌性などの可能性もあり、初期の段階での判断は難しいとされています。
ウイルス性に対する有効な薬はなく、充血や炎症に対してはステロイドの点眼やなどで対処します。
角膜炎がひどくなると、視力低下や、失明など危険なこともあるので、目の異変に気付いたら早めに受診をし、早期治療をするようにしましょう。
水いぼ
ウイルス性による良性いぼです。
小さい丸い隆起したいぼが体のいろいろな場所にできます。皮膚の接触による直接感染やタオルなどを通して感染することがあります。
水いぼは痛みや痒みはほとんどありません。感染力はそれほど強くないですが、集団生活などのプールなどで直接皮膚に触れて感染することが多いようです。
そのままほおっておいても1~2年で免疫ができ、自然に治るとも言われます。
まれに痒みを伴い、掻いてしまうといぼが増えることがあります。タオルを共有することは避けましょう。
とびひ
小さな引っ掻き傷や、蚊にさされて掻きむしった傷から最近が入り、ジクジクになって広がります。
とびひはひどくならないうちに治療を始めることが早く治すことにつながります。
気になれば早めに皮膚科や小児科を受診しましょう。
熱中症
暑い夏は、汗をたくさんかきます。喉が渇いても暑くても言葉が話せない赤ちゃんはそれを伝えることができません。
こまめに水分補給をするようにして、日陰の涼しい場所で遊んだり、歩いたりしましょう。
ぐったりした様子や嘔吐などがある場合は熱中症が考えられるので体を冷やして受診するようにしましょう。
普段からの予防が大切!
流行しやすい病気にはこれといった薬がないものが多いので、それぞれの症状を治していくしかありません。
口内炎はとても痛く辛いので、親は根気強く子どもが痛がる姿に付き合うしかありません。そのうち落ち着いてくる・・という気持ちで、辛抱強く乗り切ってください!!
ご紹介した病気は時には深刻な症状を引き起こすこともありますので、普段から手洗いうがいなど基本的な予防を続け、規則正しい生活や十分な栄養を摂ることが大切になります。
免疫を上げるということは、感染症や病気に負けない体を作ることになります。
夏は夏休みがありますが、夜更かしや偏った栄養ばかりでは体調を崩してしまいます。いつもと様子が違う、と感じたら早めに受診して治療するようにしましょう。