正しい知識で調味料を選べば、毎日の料理を一味もふた味も美味しくしてくれます。前回の塩、砂糖、醤油に続き、今回は酢、味噌、出汁の選び方をご紹介していきます。
毎日の料理に使う調味料は、スーパーで安くなっているものを適当に買ってしまいがち。ですが、子供たちに正しい味覚を養わせるためにも、こだわった材料を使い、昔ながらの製法で作った美味しくて安全な調味料を使いたいものですね。
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酢の選び方
お酢には米、とうもろこしなどの雑穀、果実を原料として作られた醸造酢と、エチレンガスから作られた工業用アルコールを合成して作られた合成酢の二種類があります。
今では合成酢はあまり市場に出回っておらず、スーパーに並んでいるお酢のほとんどは醸造酢ではありますが、あまりにも値段が安いと不安に感じた時はパッケージラベルを一度チェックしてみると安心です。
醸造酢の中でも純度が高く良質なお酢が、純米酢、純りんご酢など、名前に純がついたお酢です。
醸造酒は製造にかかる日数を抑えるために原材料にアルコールを添加して作られていますが、純がつくお酢は余計なものを添加せずに米やりんごのみで作られています。
添加されているアルコールが合成アルコールなのか天然アルコールなのかは、ラベルを見ただけではわからないので、余計なものを添加しない純度の高いお酢を選ぶと良いでしょう。
お酢には
- 米から作られた米酢
- 麦やとうもろこしなどの雑穀から作られた穀物酢
- 玄米から作られた黒酢
- もち米から作られた香酢
- りんごから作られたりんご酢
- ぶどうから作られたワインビネガーやバルサミコ酢
などがあり、それぞれ酸味や味に違いがあります。
酢飯や酢のものなどの和食に一番合うのは、まろやかでコクがある米酢。香り高く柔らかな酸味のりんご酢やワインビネガーは、ドレッシングやマリネなどの洋食向きです。
玄米から作られた黒酢は、アミノ酸が豊富で柔らかい酸味とうまみが強いのが特徴。クセが少なく、安価で手に入れやすい穀物酢はどんな料理とも相性が良いです。用途に合わせて使い分けるのも良さそうですね。
味噌の選び方
スーパーへ行くと、「有機大豆使用」「無添加」「長期熟成」などいろいろな表記の味噌が並んでいるのですが、美味しい味噌はどのようにして選べば良いのでしょうか。
まずは原材料を確認してみましょう。本来の味噌は大豆、塩、麹だけで出来ているはずですが、安く量産するために急速発酵で作った味噌には、うまみや風味が出ないので化学調味料やだしを添加しているのです。
味噌の本来の風味を味わいたい場合は、だし入り味噌は避け、無添加のものを選ぶと良いでしょう。
白味噌と赤味噌は同じ原料で作られているのですが、赤味噌は半年~二年とじっくり時間を掛けて熟成させているので、濃厚なうまみがありスキッと辛口。一週間~と短めの発酵時間で作る白味噌はあっさりしていて甘みがある味わいです。
酢味噌和えなどの和えもののときにはあっさりした白味噌が、味噌煮込みなど味の濃い料理を作るときには赤味噌を使うと良いでしょう。
だしの選び方
さしすせその五つの調味料とあわせて、和食に欠かせないのがうまみがたっぷり含まれただし。グルタミン酸を含む昆布出汁は味に深みがありうまみが強く、どんな料理にも向いており、お吸い物や鍋料理など出汁の味わいを生かした料理に特に向いています。
イノシン酸を含むかつお出汁は香りの良さが特徴。こちらもどんな料理とも相性が良いですが、香りを生かした味噌汁や茶わん蒸し、めんつゆなどが特におすすめです。
出汁は単体で使っても美味しいものですが、組み合わせて使うと相乗効果で通常の何倍もうまみが増すということが科学的に解明されています。昆布出汁+かつお出汁の組み合わせは、うまみがなんと7倍にも増えるとか。
いくらうまみが増すとはいえ、料理のたびに何種類もの出汁を取るのは大変。そういう時には、手軽に合わせ出汁が取れる出汁パックを使うのがおすすめです。
出汁パックの中には、天然出汁を謳っていても化学調味料や塩分が添加されているものもあります。出汁パックを選ぶ時は、出汁本来の風味を楽しめる化学調味料無添加のものを選ぶようにしましょう。
最後に
二回にわたってご紹介してきた料理を美味しくする調味料の選び方はいかがでしたか?
無添加や製造にこだわった調味料は高い上に通販などでしか買えないので不便だと思っていたのですが、今は近所のスーパーでも製法や原料にこだわった調味料がたくさん売られていることに気付きました。
こだわった調味料はいつもの調味料より数十円高いかもしれません。
けれどその数十円で毎日のお料理が劇的に変わるので、スーパーへ調味料を買い物に行く時はこの記事のことを思い出してくださいね。